「伊方原発の運転差し止め 広島高裁が仮処分」
原発推進を目指す原子力規制委員会が福島第1原発事故後に定めた新規制基準に基づく審査で運転を認めた原発について、高裁レベルで差し止めを命じたのは初めて。 住民側の申し立てを退けた3月の広島地裁と正反対の司法判断となり、原発の再稼働を進める国のエネルギー政策や電力会社の経営計画に大きく影響する。
住民側は即時抗告審で、伊方原発が国内最大級の活断層である中央構造線断層帯に近く、南海トラフ地震の震源域にあるとして「四国電は耐震設計の目安となる基準地震動を過小評価している」と指摘。「重大な事故が起きた場合、住民も甚大な健康被害を受ける」と訴えた。
四電は「原発事故を踏まえた安全確保策を講じている。住民らに健康被害が出る具体的な危険性は存在しない」などと、根拠無く、自己責任が及ばないことを前提にこれまでの主張をくりかえしてきた。
原発の再稼働を巡っては大津地裁が16年3月、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について運転差し止めを命じる仮処分決定を下して以降、新規制基準の合理性を認めて運転を容認する司法「忖度」判断が続いていた。高浜原発についても、大阪高裁が今年3月、大津地裁の決定を取り消し、4号機は5月、3号機は6月に再稼働した。
伊方原発は四国電が1号機は廃炉を決め、2号機は再稼働か廃炉の判断を留保している。3号機は15年7月に国の安全審査に合格し、16年8月に再稼働した。 3号機の仮処分は広島のほかに、松山地裁での却下決定を受けた高松高裁の即時抗告審と大分地裁、山口地裁岩国支部での審理が続いている。
by mikanyuzukaki
| 2017-12-13 14:20
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